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人生の慶き日には古典文様にこめられたメッセージを添えて【5日間コーディネート】

京都の禅寺にて生まれ育ち、着物を日常着とする伊藤仁美さん。
着物の礼節を重んじつつ、ファッションとしての着こなしも存分に楽しんでいます。面白いのは着物や帯、小物選びだけでなく着こなしにも理由があること。誰に会うのか、どこへ行くのか。時間は、季節は——。彼女の着物セオリーには、洋服にも取り入れられる“セルフプロデュース”のヒントがたくさん潜んでいます。

人生の慶き日には古典文様にこめられたメッセージを添えて【5日間コーディネート】スライダー1_1
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人生の慶き日には古典文様にこめられたメッセージを添えて【5日間コーディネート】スライダー1_3
人生の慶き日には古典文様にこめられたメッセージを添えて【5日間コーディネート】スライダー1_4
41歳/着物家/163cm

「ミセスが着る着物の中でもとりわけ華やかな訪問着。胸元から裾までに柄が入り、華やかで日本の美がぎゅっと詰まっています。着物選びが一番楽しいのではないでしょうか。

結婚式にゲストで招かれた日は古典の吉祥文様を選ぶと、お祝いの歓びを表現できます。この訪問着にもスワトウ刺繍(布地の糸を引き抜くなどして透かしを入れ、軽やかで華のある表情が生まれる中国の三大刺繍の一つ)で熨斗文(のしもん。祝儀として贈られていた鮑を長く引き伸ばして干した“熨斗鮑”の形を意匠化したもの)が、また帯には金糸と銀糸を使って立体的で重厚感のある菊の刺繍が施されています。

遥か昔からお祝いに寄り添ってきた吉祥柄は大切に受け継いでいきたい日本の文化です」(伊藤さん)
 

着物の格が上がるほど、アクセサリーは引き算を

 

「フォーマルな場では格の高い装いをしていますので、あくまでも主役は着物や帯。アクセサリーは控えめにします。華美になりすぎると品格を損なうこともあります。

また、衿の後ろはいつもより少し多めに抜くことで女性らしさと華やかさを、丸みを帯びた曲線にすることで優しさや柔らかさを表現します。帯のお太鼓もいつもより大きめにして豪華な訪問着とのバランスを取ります」(伊藤さん)
 

撮影/目黒智子
スタイリング・モデル/伊藤仁美
取材・文/笹本絵里
構成/川良咲子(編集部)

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鮫小紋の型押しレザーのハンドバッグ(この日と同じ#緙室 sen

HITOMI ITO

伊藤仁美。京都祇園の禅寺に生まれ、和の空間に囲まれて育つ。2015年より活動の拠点を東京に移し、着付けサロン「enso」をオープン。同時に着物暮らしを始める。国内外にて講演やセミナー、イベント出演や、雑誌・広告などで着付やスタイリング、そしてモデルとしても活躍中。アート作品にも多数参加、海外メディアにも取り上げられる。現在は一児の母として、着物で過ごす日々にある豊かさも発信中。また、令和元年5月1日にプロジェクトが始動。第一弾としてニューバランスとコラボレートしたムービーが同日に配信された。