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夫婦のセックスレス問題、妻側のリアルな本音【30〜40代読者座談会】

昨年9月にスタートした『オトナのための性教育』。前例のない“40代からの性のあり方”を模索するうえで、まずはみなさんのリアルな声を伺ってみようと、性についてざっくばらんに話せる座談会を設けさせていただきました。参加してくださったのは「もっとフラットに性の話をしてみたい」という希望をお持ちの4名の方々。以前に編集部ブログでご紹介して大反響だったコミックをソースに、セックスレスや婚外恋愛、女性用風俗など注目の話題について本音で語っていただきました。

昨年11月某日、せっかくの金曜の夜、仕事帰りにお集まりいただいたみなさんにリラックスしていただこうと、ビールもご用意してお迎えした今回の座談会。編集部からは、本連載に熱い思いを抱く大森編集長と性の取材でも切り込み隊長ぶりを発揮しているちあっきーこと片岡が参加。ライター村上が司会を務めさせていただきました。

《参加読者プロフィール》
ナナ(仮名):40代後半/既婚/子有/会社員
同世代のリアルな性の話を聞いてみたい。応募は恥ずかしかったけれど、ミモレを作っている人たちにも興味があったので思い切って。

カオル(仮名):40代後半/既婚/子有/専門職
婚外恋愛を実践中。子どもたちはすでに手が離れ、夫以外にパートナーを持ちながら第二の人生を謳歌している。

ミヨ(仮名):30代後半/既婚/子有/会社員
出産を機にセックスレスとなり悩み中。日頃、男性とは性の話ができるが女性には気を遣ってしまうため、女性の話を聞いてみたい。

マミ(仮名):40代前半/既婚/子有/会社員
夫以外に彼がいたこともあったが、現在は婚外パートナー無し。親しい女友達も結婚後は潔癖になってしまい、性の話ができる相手がいなくなってしまった。

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課題図書『1122』を読んで。
セックスレスには全員が共感!


−−− 今回、みなさんには課題図書として、人気コミック(渡辺ペコ著/講談社刊)を読んできていただきました。「セックスレスが原因で“公認不倫”を始めることになった夫婦のゆくすえ」というあながち他人事とも思えないストーリーですが、まずはコミックのなかで気になった部分を聞かせてください。

今回の課題図書『1122(いいふうふ)』は、“現代における夫婦のあり方”を問う内容で多数のメディアにも紹介された注目作。物語は、結婚7年目の30代夫婦、いちことおとやんを中心に展開。子ナシ、セックスレス、でも決して仲が悪いわけではなく、むしろなんでも話し合える友だち夫婦という設定に共感を覚える方も多いのではないでしょうか? ある日、おとやんの浮気に気づいたいちこが提案したのは「公認不倫」。良好な夫婦関係を維持するために始めた妻公認の夫の不倫でしたが、恋に走るおとやんの様子にいちこの心境も変化していき…。結婚や夫婦の意義を考え直してみたくなる内容は、ミモレ世代にもおすすめです!(渡辺ペコ著/講談社刊)1〜4巻まで大好評発売中。

ナナ:(主人公の30代夫婦)おとやんといちこの微妙な関係性にはとても共感できました。私もここ2年ほど、夫とセックスレスです。夫に対する愛情はありますが、そういう雰囲気になるとなんとなく逃げてしまう。「無理」というより、何か「違う」という感覚なんです。夫の方も、それを押して迫ってくることはないので、そのままレスを放置している状態ですね。

カオル:私の場合は、コミックに出てくる夫婦とは逆のパターンと言いますか……。夫婦仲は良好ですが、夫以外に長く付き合っている彼がいます。夫のことは“家を守る同志”として信頼していますが、性の対象ではありません。だから夫婦では、もう20年間セックスレス。でも、それはそれ、これはこれと割り切っているので苦しさはありません。おとやんといちこの場合は、お互いに、まだ割り切れていない感じがしました。

ミヨ:私がいちばん印象に残ったのは、おとやんがいちこにセックスを拒否されるシーン。私は、夫に拒否されてセックスレスが始まったので、おとやんの気持ちが痛いほどわかります。あの時、いちこは、愛があるなら「今日はできないけど、抱っこして一緒に寝よう」くらい言うべきだったんじゃないかな。おとやんに甘えていると思いました。

−−− ミヨさんは、現在はどんな状況なんですか?

ミヨ:状況を改善したくて何度か話し合っていますが、夫からは「子どもが小学生になるまで、2年待って欲しい」と言われています。子煩悩な人なので子どもを優先したい気持ちはわかるのですが、そんな間にも、私の夫に対する愛情がどんどん目減りしていくのがわかるんです。夫は、2年経ったら元通りにすればいいと考えているようですが、夫婦ってそういうものじゃないですよね。愛情が減ることがあったらどこかで挽回して、“小康状態”を繰り返しながら続いていくものだと思うんです。いまは「子どもを置いてはいけないから」と、ふたりで食事に行くのも断られてしまうので、いざ2年経ったら、私の愛情タンクが空になっているかもしれない。2年ももつかわかりません。

マミ:全体的な印象でもいいですか? 表現が難しいのですが、婚外恋愛にもマナーはあるだろうなと思いながら読みました。夫婦の浮気って、案外、お互いに気づいてしまうものだと思うんです。でも、たとえば夫が浮気をした時に、そののめり込み具合や妻への態度など最低限のマナーを守れていれば「ま、いっか」となることもある気がします。私たち夫婦には子どもがいなくて、お互い外に相手がいたこともありましたが、私は、浮気する時もされている時も、そんなことを考えていましたね。


夫以外のパートナーは必要?
それは「性欲」か「恋愛感情」か


−−− すでに彼がいらっしゃるカオルさん以外の方は、夫以外のパートナーが欲しいと思うことはありますか?

夫以外に婚外パートナーがいらっしゃるカオルさんは、ふたり姉妹の母。上の娘さんは昨年結婚。下の娘さんは海外に留学中だそう。「ママはもうあなたたちのママは卒業だよ」と話し、なんと婚外パートナーの存在も話しているとか。

ナナ:そうですね、もっと女性として見られたいという願望はあります。あとは、このまま歳を取ってしまうのは少し寂しいな、と思うことも。でも、実際にいま誰かに告白されたとしても、いい返事をできる自信はありません。趣味の集まりなどで、会えると嬉しいなと意識する男性がいたことはありますが、いざとなったら理性が働いて、それ以上は進めなさそうです。

ミヨ:私は、信頼と男性的魅力が地続きなので、割り切ったつき合いはできそうにありません。夫以外の人と恋愛をしたら態度でバレそうだし、泥沼になるのが目に見えてるので。

カオル:でも、私も最初はそんな風に考えていたんですよ。それがある日一線を越えてみたら、意外と割り切れちゃったんです。でも、外の彼とも身体だけで繋がっているという意味ではなく…。夫も彼もまったく違う魅力の持ち主で、それぞれに求めているものも違うから、どちらか一方を選ぶことはできないとわかった、ということです。

それに、やはり女性は恋愛をすると変わりますよね。外見的にも努力するし、内面的にも、彼の仕事振りや生き方には多くの刺激をもらっています。

−−− カオルさんとマミさんは婚外恋愛経験者で、ナナさんとミヨさんは、婚外恋愛は難しそうと感じていらっしゃるんですね。一線を越えられる人とそうでない人の差って一体何でしょう?

カオル:私の場合、娘がふたりいるのですが、子育て中は性欲も恋愛欲もありませんでした。そういう気持ちが芽生え始めたのは、上の娘が大学生、下の娘も高校生になってから。周囲を見渡しても、40代後半くらいになって子どもが手を離れると、夫以外に彼をつくる人もチラホラ出てくるようです。子育てがひと段落して時間ができるというのもあるかもしれないし、心にぽっかり穴があく淋しさを埋めようとするのもあるかもしれないですね。

マミ:私は、新しい出会いや誰かと親しくなることに対して、あまり身構えないタイプではあるかも。あとは、自分と同じような欲求の人を察知するのは得意ですね。

恋愛をしたい人と身体だけが目的の人がいると思いますが、それをクロスさせちゃうと事件になっちゃう。似たような欲求を持っている人を探すことが大事です。

−−− それはどうやってわかるんですか?

マミ:会話ですかね。たとえば、地方から出てきただいぶ歳下の男の子なんかで「ずっと寂しかったんです!」というムードをアピールしてくる子は、ちょっと重そうかな、とか。

−−− まずは自分の欲求を認識することが先決ですね。性欲を満たしたいだけなのか、心や寂しさも満たしたいのか。

ミヨ:私の場合は、尊敬、信頼、愛情、性欲が溶接されてるんですよ。行きずりのセックスができる人の話を聞くと、その日に出会ったばかりの人と、洋服を脱いで密室でふたりになるなんてすごいなって。どうして初対面の相手をそこまで信用できるのか不思議です。

あと、『1122』を読んでもうひとつ気になったのですが、おとやんって不倫相手の夫にまったく嫉妬しないですよね。嫉妬と上手くつき合うのが婚外恋愛のコツかなと思いました。

−−− 確かに、嫉妬のいなし方がわかっていないと難しそうですね。特に婚外恋愛は、会えない時間が長いわけですからね。


フラートや女性用風俗、
婚外恋愛以外のセックスレス解消法は?


カオル:出会いの場が欲しいなら、ゲイバーもおすすめですよ。ゲイバーって、お店によってはノンケの男性も多いので、顔馴染みになったらママが紹介してくれるかも。必ずしも連絡先を交換しなくても、その場で楽しく飲んで別れてもいいですしね。

ミヨさんには、エロゲ好きという一面も。そして男性用と女性用を比較したところある発見をされたそう。「男性用は女の子が自分の気持ちよさを『あそこが気持ちいい』『ここがこうなってる』と全部セリフで喋るんです。でも女性用は『あっ』とか『ん…』とか言うだけで、感じている内容は心の中でつぶやく仕様。男性は性の直接的な表現に萌え、女性は想像力で膨らますということなんだろうなと思いました。」なるほど、面白いですね!

−−− それって「フラート」を楽しむ感じかもしれませんね。みなさんは、以前、AV男優・森林原人さんのインタビューで出てきた「フラート」という言葉をご存知ですか? 上手く当てはまる日本語訳がないらしいのですが、要は、出会ったふたりがセックスを目的とせず、イチャイチャすること自体を楽しむことです。森林さんが宗教人類学者の植島啓司先生に伺ったところによると、植島先生は、時々この「フラート」を堪能するためのプライベートパーティを催されることがあるとか。そのパーティは、キスからスタートして、ふたりで囁き合ったり触れ合ったりとイチャイチャを楽しむそうです。この話をすると、みなさんとても興味を持たれますね。

ミヨ:それは興味あります。
カオル:私も!
マミ:行ってみたいですね。

−−− ちなみに、最近増えているという女性向け風俗はいかがですか? 

カオル:それはまったく興味ナシです。
マミ:私も行かないかな。
ミヨ:気持ちが割り切れるかわからないけど、興味はあります。
ナナ:うーん…どうでしょう。

−−− 婚外恋愛経験のあるカオルさんとマミさんは、風俗にはご興味ないんですね。

マミ:矛盾していると思われるかもしれませんが、自分で見つけた相手と身体だけの関係になるのはよくても、お金を払ってするのは違う気が…。声を掛けてからセックスに至るまでのプロセスがなく、いきなり性的サービスを受けても、身体が冷めてしまって気分が乗らない気がします。やっぱり、セックスに至るまでの疑似恋愛のような状態も欠かせないのかもしれません。

もしかしたら疑似恋愛のプロセスさえあれば、身体の関係までいかずとも、満足できてしまう場合もあるかもしれませんね。

 

『1122』のなかでも夫婦関係のほころびの発端となっていたセックスレスは、やはりミモレ世代にとっても性の代表的なお悩みであるよう。今後の連載では、更年期や性教育に並んで、セックスレス問題についても取り上げていけたらと思います。掲載できた内容以外にも、日頃、性について悩んでいることや身近な人には言いづらい話題について、たっぷりと語ってくださった4名のみなさま、この度はご協力どうもありがとうございました!

ライター 村上 治子

1973年生まれ。大学卒業後、アパレル商社、広告制作会社を経てフリーライターに。主にファッションと占いの記事を執筆。今後は、更年期や閉経後の性のことについても探っていきます。興味があるのは「女性らしさ」や「コミュニケーションとしてのセックス」。趣味は10年習っているフラ。夫と思春期の息子がいます。


撮影/ミモレ編集部
取材・文/村上治子
構成/片岡千晶(編集部)



 

 

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