「笑いながら聖書に親しんでもらう」をコンセプトに、Twitterで連日面白ネタをつぶやき、人気を集める上馬キリスト教会()。初の著書では、140字という枠を超えて、聖書の面白エピソードを紹介しています。メインで執筆を担当した「中の人」まじめ担当の横坂剛比古さんに、本に込めた思いをうかがいました。

東京都世田谷区にある、上馬キリスト教会



――初の著書、には、
  “私たちの言いたいことは「信じなさい」でも「聖書に従いなさい」でもありません。「まずは聖書を楽しんでみて!」です。”
とあります。実際、どんな思いで執筆されたのでしょう?


聖書って、とっつきにくいし、物理的にも重いし(笑)、読まなくてもいいんですけど、ちょっとだけ触れて欲しいというか、親しみをもって欲しいんです。そういうきっかけになればいいなって。クリスチャンって「触ってはいけない人たち」みたいに思われてますから(笑)。すごく真面目で、ギャグとか言ったらダメなんじゃないかって。
日本人ってお坊さんに対しては、「あのクソ坊主」って悪態ついてみたり、法事のあとで「お経ヘタだったなあ」とか言ったりするんですよ。「坊主丸もうけ」なんて悪口もあります。それくらい、実は親しみがあるんですよね。残念ながら、牧師にはそういうのないですからね。良くも悪くも、親しみがないってことなんです。
聖書は普通に読むと確かに面白くないんだけど、お坊さんだってお経を面白いって思ってないと思うんです。「お経を読むと楽しいよ」とは言わないじゃないですか(笑)。
でも僕らは聖書って、楽しんで読んでいいと思ってるし、実際に意外と楽しめるんです。

 

イエス様「復活」のときの第一声は? 思わず脱力するエピソードも


――本の中にも、様々な面白エピソードが紹介されています

僕の好きなほのぼのエピソードに、イエス様が復活したときに最初に発した言葉があるんですけど、なんだかわかりますか?
「おはよう」です。しかもこれ、どう読んでも、「よ!」みたいな軽い感じで言ってるんです。で、その場にいた人にイエス様だと気づいてもらえなくて、「みんなわかんないの僕のこと!?」って。魚の食べ方を見て、みんなはじめて「イエス様だ!」ってわかったんです。これ、よっぽどキレイな食べ方だったのか、すごくだらしない汚い食べ方だったのか、どっちかですよね。『聖☆おにいさん』では、汚く食べるほうで描かれてましたよね。話はそれますが、『聖☆おにいさん』の作者、中村光さんはものすごく勉強してらっしゃるなって思って。信者でも知らないようなエピソードが入っていて、いつも関心してます。

 


――今回の本は「聖書入門」ということで、ずい分大きく出ましたけど(笑)、やはり聖書を身近に感じて欲しいという思いがベースにあると。

そもそもの活動コンセプトが「笑いながら聖書に親しんでもらう」ですので。でも本にも書きましたけど、本当にキリスト教を理解したい人は、もっと真面目な本を読まなきゃダメですよ(笑)。
ただ、これまでも初心者向けのキリスト教や聖書の入門書はあったんですけど、大体、クリスチャンじゃない人が書いていて、クリスチャンからするとちょっとずれてたり、そうじゃないんだよな、っていうところがあって。もちろん僕の書いた文章を読んで、「ずれてる」って思うクリスチャンはいると思うんですけど。

 

クリスチャンはふつうの人。教会に来れば、いいこともあります


――この本のPart7には「日本の日常に潜む聖書」として、実は聖書由来だったことわざやエピソードも紹介してます。日本人にとって意外と身近な存在でもあるんですよね。

キリスト教って、「習慣」になりやすいというか、聖書を日々読んだりとか、教会に週に1度通うとか、生活に密着しやすいんですね。ライフスタイルに近いんです。宗教ってライフスタイルなんです。これだけ「多様性」っていわれていて、宗教だけ抵抗感を示されるのはおかしいんじゃないかなって思います。
実は宗教人口ってどんどん減っているんです。オウムの事件から、宗教が問題視されるような状況があったじゃないですか。それでみんな宗教を避けるから、余計生きづらくなっている。そんな風に感じてます。
ちょっと心の調子が悪いときに、教会でもお寺でも神社でも、まずそっちに行ってみるという選択肢もありだと思うんです。いまはそれがあまりに遠すぎる。だから、そういう選択肢もあるんだということを示せたら嬉しいですね。

 

教会に週1回通うというのは、意外といいこともあります。以前、あるおばあちゃんが、自治体からのアンケートか何かで「週に1回以上お出かけしますか?」という項目があって、「私は教会来ているから○つけられるのよ」って威張ってて(笑)。
そんなふうに、あらゆる世代が来るので、教会の場が「大家族」みたいになるんですよ。そうすると子育ても楽なんですよね。教会に来れば先輩のお母さんもいるし、教会に子どもを預けて買い物に行ったりできるし、同世代の子どもが集まってきゃーきゃー遊んでるから、子どもは子どもで教会にくるのが楽しいってなるし。お寺なんかもそういう風に週1回とか集まれるといいんでしょうけど、知り合いのお坊さんに言ったら「死なないとこないからウチは」って(笑)。

――確かに、上馬教会の礼拝は、お子さんもたくさんいらして賑やかでした。本当にふつうに生活が根付いている感じがしました。

「ふざけ担当」は2世ということもあって、コンプレックスがあるみたいなんです。自分が回りの文化と違うというか、みんなが日曜日には教会に行くもんだと思っていたのに、実はすごい少数派だったとか。「日曜日遊びに行こう」って誘われると断らなきゃいけないとか。2世の子たちってそういうのを持っているみたいで。
でも、そういうクリスチャンの生活を「ふつう」として認識して欲しいというか。この日本にもクリスチャンが1.1%いて、他の宗教を信仰する人や、無宗教の人と同じように、毎日、ふつうに暮らしてるんです。それこそ「いいにくいことをいう日」で「外国人がクリスチャンだっていうと納得するのに、日本人がクリスチャンというと『あっ』という顔するのやめて」ってツイートしましたけど(笑)。

 

著者 上馬キリスト教会 1300円(税抜)講談社

おもしろキャラ、とほほエピソード満載! Twitterで大人気のゆるアカウント「上馬キリスト教会」が、聖書とキリスト教の世界を、ほんとうにゆる~く、ざっくりと紹介します!
ノンクリスチャンが抱きがちなソボクな疑問、教会で飛び交う謎のことば、名画に描かれた聖書の名シーンの数々……読めば「目からウロコが落ちる!」(←聖書由来!)、きっと誰かに話したくなる、老若男女だれでも気軽に楽しめる入門書です!

『上馬キリスト教会の世界一ゆるい聖書入門』のほか、料理、美容・健康、ファッション情報など講談社くらしの本からの記事はこちらからも読むことができます。

 

上馬キリスト教会(かみうまきりすときょうかい)
東京都世田谷区駒沢にあるメソジスト系単立教会。2015年2月にスタートしたでの伝道活動が人気を呼び、一般アカウントにもかかわらずフォロワー7万人を超える人気アカウントに。キリスト教や聖書の世界をおもしろおかしく切り取ったつぶやきが話題を呼び、2017年のクリスマスには150人を超える「初めて教会に来る人」が押し寄せるなど、大人気に。「中の人」は、一般の信徒で、「まじめ担当」「ふざけ担当」の二人。アカウント()

横坂 剛比古(よこさか たけひこ)
通称マロ、あるいはマロさん。上馬キリスト教会の一般教会員。上馬キリスト教会アカウントの「まじめ担当」。1979年、東京都生まれ。慶応義塾大学文学部哲学科倫理学専攻卒。専門は宗教倫理学。バークリー音楽大学 CWP卒(Professional Diploma)。現在は宗教法人専門の行政書士としてキリスト教会をはじめ、お寺や神社の法務サポートを行いつつ、異宗教間コミュニケーションについての研究や実践も行っている。

構成/生活文化編集チーム
写真/牧田健太郎

 

出典元/

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