村上臣 大学在学中に、モバイルサイト開発会社「電脳隊」を設立。その後、会社の買収にともない2000年8月にヤフー入社。一度は退職するものの当時の経営陣に請われ、復帰。2012年4月からはヤフーの執行役員兼CMOとしてモバイル事業の企画戦略を担当。2017年11月にLinkedin日本代表に就任。複数のスタートアップの戦略・技術顧問なども務める。


“女性をはじめとする多様な人々が、しなやかに活躍できる社会”を創るイベントが、11月29日(木)・30日(金)に開催されます。テクノロジーやジェンダー、メディアにメーカーと、当日はさまざまな分野の方が登壇しますが、今回はそのひとり、リンクトイン日本代表の村上臣さんにインタビュー。多くの大人の女性たちから恋愛相談に絶大な支持を得ていると聞きつけ、後編では、本職とは一見関係ない(?)恋愛について包み隠さず話してもらいました!
 

出会いがないのは、自分から探していないだけ

 

ある友人の相談に乗ったことをきっかけに口コミで評判が広がり、以来、女性たちからの恋愛相談が絶えないという村上さん。相談者は50代前半の女性が多いそうですが、実はこの相談役ポジション、女性社会のなかで過ごした青春時代からのものなのだそう。

「中・高・大とブラスバンドやオーケストラに所属していたんですが、吹奏楽部ってだいたい女性ばかりなんですよ。おかげで女性に対する余計な夢や幻想が一切なく(笑)、男側と女側の両方から意見できるのがよかったのか、その頃からよく相談されていました。僕自身は22歳で結婚したのでいわゆる大人の恋愛は経験していませんが、8歳上で49歳の妻がいるのでその年代の女性のことは一応分かっているつもり。相談相手としてはうってつけのようですよ」

そして気になる相談内容は、『出会いがない』『いい人はいるけど、この先どう関係を続けていいのかわからない』、この2つがほとんどだとか。

「後者はそれぞれの状況によるけれど、出会いに関しては、みんな無意識のうちに築いてしまったたくさんのバイアスに縛られ過ぎて、自分でチャンスの幅を狭めているだけだと思いますね。みんな、この歳になると酔った勢いなんてムリとか、そんなことカッコ悪いとか言うけど、僕からみたらどれも些細なことばかり。年下はムリ、なんて言おうものなら『年上なんてもうそんなにいなくない?』って言っちゃいますね(笑)。実際はみんな毎日いろんな人に会って話しているし、いつも行くカフェやジムでもたくさんの人と出会っているはずなんですよ」
 

大人の女性を縛る“昭和的”理想の幸せ像


相談しているうちになんだか追いつめられてしまいそう……?! ですが、「実はそれこそが目的です」と村上さん。無意識のうちにかけられたバイアスを糺すには、正面からきっぱり指摘するのが一番、ということですね。また、多くの女性がこのようなバイアスに陥ってしまうのには、日本の古い風潮も影響しているとか。

 

「ある意味これは日本の男性社会の犠牲ともいえるのですが、今の40〜50代の女性って“結婚して子どもを産むのが女の幸せ”といった、昭和的な理想像をいまだに引きずっている人が多いように思います。彼女たちの親はまさにその世代ですから、顔を合わせれば『孫の顔が見たい』なんて、小言のひとつもいわれることもあるでしょうし。相談してくれる人の中には、結婚しないのも選択の一つと思いつつも、心のどこかで“親に申し訳ない”とか“みっともない”という気持ちがくすぶって、人生の選択に踏み切れずにいる人も多いです。」

以前と比べればはるかに自由になった日本の社会。とはいえ、子どもの頃から無意識のうちに植え付けられた感覚は根深いものがあります。MASHING UPで村上さんは、まさにこの事象についてお話しされる予定。“家族のかたち2018”と題したトークセッションには、最近事実婚を発表したばかりのはあちゅうさんも登壇します。
そしてこの“昭和な感覚”は、大人の女性には人生観だけでなく恋愛観そのものにも根強いのだとか。
 

大事なのは人生を自分で選択し、納得すること


「僕は少年マンガを一切読まずに『りぼん』や『別マ』で育ったので気持ちが分かるのですが、心の中に少女マンガ的な“理想の王子様像”を持ってしまうことがあります。あとは、女からいうのはカッコ悪い、男性から声をかけてほしいといった“理想の出会い方”も。それ自体を否定するつもりはないけど、それ、そんなに大事?とは言いたい(笑)。一度仲良くなってしまえば始まりがどうとか関係ないし、理想のかたちにこだわるより、この先の人生を気の合うパートナーと楽しく過ごす方がずっと大事なはずですよね」

そして何より大事なのは、人生を自分で選択すること。そのため恋愛相談といいながらも結局は、その人にとって一番大切なことは何なのかを面談している感じなのだとか。

「自分はこの先どういう人生を歩むのか、自分で選択してきちんと納得しないと、いつまでも親や環境に対して恨み節が出てしまう。自分ではどうにもできないものに文句を言い続けるなんて一番不幸でしょう? たとえ恋愛では実を結ばなくても、本人が幸せになれたら結果オーライですから」

イタいところを突かれ過ぎてグッタリ……なんて人も多いと思いますが、痛みを感じるということは、自分の中の不要なバイアスに気付けた証拠! 耐えた自分を褒めつつ、次はより積極的な一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。

 

「一応明日から使えるアドバイスも付け加えておくと、とにかく“誰かが声かけてくれるのを待つ”という姿勢から脱すること! あとはモバイルバッテリーを持ち歩くとか。カフェってスマホの充電なくなって来る人が意外と多いんですよ。テーブルに置いておくだけで『すみません、ちょっと貸してもらえませんか』って、けっこう声かけられると思いますよ(笑)」

撮影/横山順子
取材・文/山崎恵
構成/柳田啓輔

 

MASHING UP
 

女性をはじめとする多様な人々が、しなやかに活躍できる社会のために、業種や国、性別、コミュニティを超えた500名以上が参加。ワークショップやグループセッションなどの参加型コンテンツで、新しいネットワークやビジネスの創出を目指します。29日にはミモレ編集長・大森も登壇。
日程:2018年11月29日(木)、30日(金)
会場:TRUNK(HOTEL) 東京都渋谷区神宮前5-31
※イベントの参加にはチケットが必要です(10800円/1日)。チケット購入やその他の詳細は。

【ミモレ専用割引コード】:MU1811mimollet
申し込みページ:
2日間チケット18000円→15000円(税抜)での特別価格での提供になります。

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