配給/宣伝:キノフィルムズ (C) 2016 - CE QUI ME MEUT - STUDIOCANAL - FRANCE 2 CINEMA 映倫:PG12

最初に目にしたビジュアルのイメージから、ワイン作りの過程を追いかけたドキュメンタリーのような映画なのかな? と思った。
ワイン作りの映画でありながら、そこに人生の営みや家族の絆を重ねてじっくりと描き出した作品でした。

ワインを作る家に生まれ、10年前に家を飛び出して久しぶりに故郷に戻ってきた長男、家業を受け継いだ妹、地元に残って他のドメーヌの婿養子となった次男。
3人の兄弟が、父の死をきっかけにぶつかりあいながら、協力していくことになります。
3人はそれぞれに家族や仕事の問題を抱えていて、今の私にはどれも近しい悩みではなかったけれど、いい年をした兄弟がケンカをしたり泣いたりしている姿には、やっぱりグッときちゃいました。
無邪気だった子供の頃の回想シーンが入っているから、なおさら……。ブドウのように甘酸っぱいというよりも、結構苦味のある物語です。

ワイナリーを舞台に兄妹の葛藤が描かれています(映画『おかえり、ブルゴーニュへ』より)

驚いたのは、ブルゴーニュのブドウ畑の四季が映し出されていたこと! 
一年という時間をかけて季節の移り変わりを撮影しているところに、監督のワインへの愛情を感じました。太陽のあたり具合をよく見ながらブドウを育て、味見をしながら収穫日を決めていく。
そんなシーンを見ながら、ブドウ一粒一粒にこんなにも作り手の愛情が込められているんだな、これからはもっと感謝しながらワインを飲もう! と決意したほど(笑)。

ひとつひとつの作業が人の手で行われている様子も(映画『おかえり、ブルゴーニュへ』より)

今までシャンパーニュ地方やボルドー、カリフォルニアのワイナリーを旅したこともありますが、この映画のなかに登場する収穫祭は見たことがなかったので、ものすごく興味深かった!
パーティーではあんなに大騒ぎをしながらお祝いをするんですね(笑)。
カリフォルニアではすべて機械で収穫しているワイナリーもあったので、これからはハーベストの風景も変わっていくのかもしれません。

以前に見学に行った、アルゼンチンの方がオーナーの、カリフォルニア・ナパにあるワイナリー。映画に登場する、ブルゴーニュとは正反対の作り方。全てコンピュータで管理されていて、出来上がりまで一切手に触れることがないのです。ここは面白かったです!


畑の相続問題もあり、農家を維持することの大変さはきっと世界中どこでも一緒。ワイン作りを通して、人にとってのルーツの大切さ、人と自然の関係まで描いている作品です。  

構成/細谷美香

 


フランス・ブルゴーニュ地方のワイン生産を営む家で育った長男のジャンは、10年前に家を出た。妹は家業を継ぎ、末っ子の次男は別のワイン生産者の婿養子に。父親の死が近いことを知ったジャンは10年ぶりに故郷へと戻り、家族と再会するものの、父親は亡くなってしまう。残されたブドウ畑や自宅の相続、長男は離婚問題、長女は醸造家としての将来を、次男は義父との関係など、それぞれが悩みを抱える中、父親が亡くなってから初のブドウの収穫時期を迎えて……。11月17日(土)よりヒューマントラストシネマ有楽町、YEBISU GARDEN CINEAほか全国順次公開。