南インド、チェンナイに世界中にファンを持つTara Books(タラブックス)という出版社があります。

 

この出版社は、書籍の企画から製作までを手がけ、インドだけでなく、世界の文化や物語を紹介しています。

日本でも「」と題された大きな展覧会が巡回しているので、この出版社の名前をなんとなく耳にしたことがある、またはタラブックスが出版しているとびきり美しい絵本を、書店で見たことがある、或いは持っている方もたくさんいらっしゃると思います。

タラブックスの本は、絵本と言っても子供たちだけでなく、大人にも見応え、読み応えのある美しい本たち。伝承民話を通して哲学的な生命のあり様、世界の成り立ちを語りかけます。

これまで、日本や世界中の書店でタラブックスの絵本に出会い、その度に一冊、二冊、、、と買い求めてきました。出会った時が買い時といいますか、その時になんとなく気になっていること、ずっと頭の中にある疑問にヒントを与えてくれるのが、私にとってのタラブックスの絵本です。

 

そんな憧れのタラブックスの工房では、職人さん達が分業で、一冊一冊丁寧に版を刷り、製本しています。シルクスクリーンで1枚ずつ何版も色を重ねて作られる1ページ。複数の職人の手がひとつの作業を完成させるプロセスは息がぴったり合っていて、綺麗な絵がどんどんと刷り上がってゆきます。インクの匂い、規則的なリズム、、、思わず見入ってしまいます。

 

それにしても、このシルクスクリーンの絵本たち、なんと「手作り」なのです!部数を限って、質の高い作品をしかるべき値段で提供する、それがこの出版社の本の作り方。それでも日本の書店に並ぶタラブックスの絵本たち、この手間のかかり方、質の高さに対して値段が安すぎるとも思うのですが、職人さん達にも充分な報酬を供給できるようにしています。

 

編集部にいらした代表のギータ・ウォルフさんに「あなたの出版社の仕事は、作品といい仕組みといい、なんと素晴らしいんでしょう!」と思わず語りかけると、彼女はこう言いました。「私たちにできることを最大限にしている、それだけのことなんですよ。私たちが手に入れられる『もの』は少ない、その限られた条件を活かして本を作っているだけなの。」

 

味わい深い民話がこの国にあることに始まり、絵を描くひと、本をつくる職人たち、内容を企画する編集者たち、販売するひと、小さな所帯で活動しながらも本物を作り出していけば、世界はそれを見ている、探しているのですね。 

 
」展が開催されます!

会期: 2018年11月10日(土)—2019年1月14日(月・祝)

場所:

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会期: 2018年11月1日(木)ー2018年12月27日(木)

場所: