竹富島には年に20余りの祭事がおこなわれています。その中でも、最も大きく、島民が最も大切にしている祭事が、600年余の歴史があり、国の「重要無形民俗文化財」にも指定されている(タナドゥイ)。毎年新暦の10月、11月にまわり来る干支の甲申(きのえさる)から9日間かけて行われます。

そもそも私は日本の祭り好き。今回取材協力いただいたの広報の方に、「大森さん、絶対に好きですよ」とお声がけいただき、喜びいさんで取材にでかけました。日本のお祭りが好きで全国をまわっていた時期もあるのですが、(集客をねらってどんどん商業的になるお祭りが増えていく中)今回の種子取祭のプリミティブなあり方にはビックリ! 観客ではなく、本来の趣旨通り、神様とこんなにピュア、かつ真摯に向き合っている祭事を初めて目の当たりにした気がします。

島のおじぃの前本さんが「珊瑚が隆起してできている竹富は水はけがよすぎて土壌がやせやすい。本来なら農業に向いている土地ではない。だからこそ、神さまにしっかりと五穀豊穣をお祈りしないといけない」と言っていた言葉がお祭りの間中、ずっと頭の中に。

  • 島との共存共栄を目指すで、島のおじぃに弟子入りした小山さんが作った粟も献上されます。「竹富産の粟を奉納することに意味があると思うのです」。
  • 貴重な奉納芸能の稽古現場も見学。島出身で島外に出られた方々、この祭事の芸能奉納のためにたくさん戻られてきます。
  • 稽古を見守る島の方々。ちなみに、芸能奉納のために石垣島や本島に進学した高校生たちも祭事に参加する際は「欠席」扱いにならないんだそう!


祭りの7日目、8日目に行われる奉納芸能では、2日間で、約80の狂言、舞踊、組踊の芸能が奉納されます。まず、神と氏子の仲介役を務める神職、神司(かんつかさ)が先頭を歩き、広場へ芸能奉納を行う演者たちが集結します。

  • 始まるのをいまか、いまかと待つ島の小学生たち。
  • 早朝に祈願を行ってきた神司の率いる列が広場へ。
  • 唄を歌いながら広場内を円になって演者たちが練り歩きます。

午前10時ごろ。「庭の芸能」が始まります。古来からの島民の生活がしのばれる生命観や勇敢さを感じさせる演目が多く、見てるだけでとっても楽しい! 

人々が隊列を組んで、語り継がれた歴史を歌や踊りで表現。こちらは馬車者(ンーマヌシャ)という演目。

次に「舞台の芸能」が始まります。格式を重んじた踊りや狂言を披露し、観客とともに参詣。

  • お祭り用にテントがはられます。舞台の芸能を見つめる島民の皆様。
  • 狂言の演目「ホンジャー」で使われた粟は、小山さんが献上したもの。
  • 種子取祭の象徴ともいえる弥勒神(ミルク)と島の子供たち。


種子取祭の期間中、島民の方は、昔から主食とされてた粟と米と小豆を混ぜて練り上げた伝統食イイヤチをいただきます。

島民のお宅をお邪魔した際に用意されていたイイヤチ。ちなみに、甘くはありません。
星のや竹富島でふるまわれたイイヤチは、施設内で小山さんが作った粟を使用。
 
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