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スタイリスト川上さやかさんが、ほっこり見せないためにやっている5つの工夫

大人になるにつれて、お気に入りの洋服を着ても、なんだかおしゃれがキマらない…。理想通りの洗練された雰囲気にならない…。少し大げさに言うなら、おばさんっぽく見える(!)。そんなことはありませんか? 大草さん川良さんも気をつけられていたように、あか抜けて、おしゃれな雰囲気に見せるには、“ほっこりさせない”ことが大事です。そこで、ふだんから徹底的にほっこり見せないための工夫を重ねている、スタイリスト川上さやかさんに、全6回にわけて、“脱ほっこり”のテクニックを教わります。


コーディネートを考えるときに、いちばん気をつけるのはほっこりさせないこと


以前の小柄さんのファッション特集でも書きましたが、私は身長が154cmと小柄、そして、実年齢より下に見られる童顔。ですが、なりたいのは、知的で品があって、かっこいいスタイル。そのギャップを埋めるために、辛口な服を選んでいることを紹介しました。実は、これにはもうひとつ理由があるんです。30歳を過ぎたころから、年々体型にゆるさが出てくるのを感じるようになりました。体に締まりがない上に、コーディネートにも締りがないと、太って見えるし、ほっこりとおばさんぽく見えると痛感したからです。
大人の体をきれいに見せ、理想の洗練された着こなしを叶えるには、辛口要素が必要だったんです。だから、年齢とともに、コーディネートの辛口度も上がっています。では、私がどのように辛口要素を足して、ほっこり見せない工夫をしているか、実際に紹介したいと思います」


脱ほっこりの工夫①
Iラインシルエットを意識する

カットソー/アルモーリュックス スカート/エーピーストゥディオ スカーフ/エルメス バッグ/マルニ 靴/ピッピシック イヤリング/シャルロットシェネ リング/ドゥジャガー(すべて本人私物)

「ふわっとしたブラウスに、ふわっと広がるAラインのスカートを合わせると、どうしてもふわっと曖昧で、メリハリのない印象に見えてしまうものです。20代の頃なら、薄くテロテロした素材のふんわりシルエットの服を着ていても、そのぶん引き締まった足や肌があったので、着こなせていたと思います。それが、体型がゆるくなってくると、悲しいかな、そうはいかないものなんです…。Aラインのスカートよりは、すっきりとしたタイトスカートでIラインをつくってあげることが、引き締まった印象に見せるための、手っ取り早い方法です。このコーディネートの場合、トップスはスムースなカットソー、スカートはリブと、素材に変化をつけているのも、メリハリをつけるためのテクニックです」


脱ほっこりの工夫②
トレンドのエッジの効いたピアスでキレ味を

 

「小物でも、辛口要素を足すことを意識しています。とくに、ジュエリーの場合、特有の艶感で着こなしを引き締めることができるので便利です。ジュエリー選びで大事なのは、エッジの効いたデザインを選ぶこと。自分のコーディネートには少しモードすぎるかなと思うタイプを選ぶほうがうまくいきます。顔に近いピアスは特に、その人の印象を大きく左右するので、下でNG例として紹介しているシンプルで華奢なピアスの写真と比べてみると、ご理解いただけると思います。ちょうど今は、モード顔のジュエリーがはやっているので、ぜひ探してみてください。もちろん、ネックレスやリングも同じです」

「カジュアルな印象のボーダーカットソーを、華奢なピアスで女らしく見せる、という発想はとてもよくわかります。ですが、大人になると、なんでもないシンプルなトップスに、華奢なピアスを合わせることが、ほっこり見えにつながってしまうんです」


エッジの効いたジュエリーってこういうこと

チョーカー/エナソルーナ バングル2本/セリーヌ リング[上]/ドゥジャガー リング[中]/エルメス リング[下]/ハム イヤリング/シャルロットシェネ(すべて本人私物)

「私自身、洋服のトレンドには、すぐには手を出さないタイプですが、ジュエリーはそのときのトレンドに合った辛口なものに更新しています。華奢ではなくボリュームがあって、存在感のあるデザインです」


脱ほっこりの工夫③
黒の靴とバッグを活用する

ニット/ウィム ガゼット パンツ/アッパーハイツ バッグ/メアリオルターナ 靴/ピッピシック(すべて本人私物)

「黒の靴とバッグは、ほっこりしがちなコーディネートでも、簡単に辛口で引き締まった印象に見違えらせてくれる、とっても便利なアイテムです。なので、つい小物を買うときは、黒を選んでしまうことが多いんです(笑)。自分にとって定番の、バッグと靴をセットで用意しておけば、コーディネートにキレがないと思ったときに助かりますよ」

私が選んだ辛口デザインの靴&バッグ

右上から時計回りに:かごバッグ/エバゴス サンダル/ピッピシック ブーツ/セリーヌ ハンドルバッグ/セリーヌ クラッチバッグ/メアリオルターナ(すべて本人私物)

「黒小物を選ぶときのポイントは、できるだけ辛口なデザインを選ぶということ。やわらかい素材の、丸みがある形よりは、角ばっていて、かっちりしているものを。フリンジやスタッズなどのスパイスが効いたデザインもおすすめです。バッグなら、中途半端なふつうのサイズよりは、すごく大きい、小さいなど、形にインパクトがあると辛口に見えます。サンダルなら、バーサンダルは重宝していますね。足首部分についたストラップが直線的でシャープな雰囲気に仕上げてくれるから。これからの季節なら、モードなデザインのブーツも便利です」

 天然素材のバッグ×靴 
「個人的には、“全身藁っぽい”と呼んでいる合わせ方ですが(笑)、カゴバッグ×ジュートサンダル。天然素材同士でテイストが同じなので、一見コーディネートが統一した印象に見えそうですが、ほっこりゆるいナチュラルさんに見えてしまうんです。大人になったら、天然素材の投入は1つまでと心得て」
 ブラウンのバッグ×靴 
「コーディネートによっては黒よりブラウンの小物を合わせたい、というときもあると思うのですが、脱ほっこり視点で考えると、やはり黒に勝るものはありません。それに、ブラウンの靴とバッグを合わせるのは実はとても難しいもの。ブラウンの色は幅が広いので、同じような色の靴とバッグを合わせたつもりでも、外の光で見ると、微妙に色が違って全身チグハグな装いになってしまうことも…。私自身もこんな経験あります。時間がなくて急いで出かけて、出先でブラウンの色味の違いに気づき、その時はすぐにでも帰りたくなったものです。いくら辛口なデザインを選んでいても、組み合わせにていねいさが必要なので、やっぱり黒がラクチンだと思います」


脱ほっこりの工夫④
トップスをタックインする

カットソー/ウラジョンソン パンツ/リッチモンド バッグ/ステラマッカートニー 靴/ミッシェルヴィヴィアン(すべて本人私物)

「コーディネートがほっこり見える原因のひとつは、コーディネートにキレのよさがないこと。トップスのすそをボトムに入れて、ウエストがここにあるんだよ、とわかるようにするだけで、キレのよさが加わります。特に、ふんわり系のトップスを着る場合は、タックインが鉄則です。トップスをタックインするのが苦手な人は、ボトムのサイズをいつもよりワンサイズ上げたり、ボトムの色を黒にすると、お腹周りが気にならなくなると思います」


脱ほっこりの工夫⑤
髪型をすっきりシャープにする

 

以前のSサイズ記事にも書きましたが、ヘアスタイルをすっきりさせることは、Sサイズだけでなく、脱ほっこりにも有効です。髪を切るのに抵抗がある場合は、髪をキュッとまとめるだけでも効果がありますよ。首元にストールを巻いていたり、ふんわりしたトップスを着ていたり、どこかしらにやわらかい要素があるときは、髪をまとめるだけで、途端にすっきりするので試してみてください」
第2回は、9月12日(水)公開予定です。

PROFILE 川上 さやかさん

スタイリスト。大手金融会社のOLからスタイリストに転身した異色の経歴の持ち主。シンプル&ベーシックな中にも上品な女らしさが光る、リアルな通勤コーディネートが人気。身長154㎝。:


第2回「今季のトレンド、ビッグシルエットをほっこりさせずに着るには?」はこちら>>
第3回「配色を変えるだけで“脱ほっこり”できるんです」はこちら>>
第4回「“ほっこりして見えやすい”まろやかワントーンを洗練させて見せるには?」はこちら>>

第5回「“脱ほっこり”に有効なアニマル素材&柄の正しい取り入れ方」はこちら>>
第6回「大人の着こなしに盛りすぎは“ほっこり”を招く…やってしまいがちなNG例4」はこちら>>


撮影/須藤敬一(人物)、武藤 誠(静物)
スタイリスト/川上さやか
ヘア&メイク/川嵜 瞳(PEACE MONKEY)
構成/高橋香奈子