高血圧の改善法といえば運動や食事、というイメージがありますが、それ以外にも血圧を下げる方法はいろいろあります。
日常生活の中で簡単に取り入れられ、効果も高いものを、(講談社)の著者・加藤雅俊先生に伺いましたので、ぜひ実践してみてください!


歳をとるとなぜ眠れなくなるの?


睡眠不足も高血圧の要因の一つ。適度に体を疲れさせ、ぐっすり眠れるようにすることは大切です。
ですが、激しい運動をすると交感神経が優位になってしまい、かえって寝付けなくなってしまいます。そういう意味でも、簡単におこなえて適度に体を疲れさせる「加藤式降圧体操」は非常にオススメですので、ぜひ毎日おこなってほしいと思います。

おそらく40〜50代の女性の中には、「以前に比べてよく眠れなくなった」「早く目が覚めるようになった」と感じていらっしゃる方も多いのではないでしょうか。
そもそもなぜ睡眠が必要かといいますと、それは寝ている間に細胞の修復がおこなわれるからです。しかし年をとると、細胞があまり生まれ変わらなくなり、修復時間もそんなにたくさんいらなくなる。残念ながら、睡眠時間が短くなってくるのは、典型的な老化現象なのです……。

ところが今の医療は、「眠れない」と相談すると、安易に睡眠薬を処方して眠らせようとします。でも眠れない本当の理由は、体を動かしていないために細胞も壊れておらず、修復する必要がないから。それを薬で無理矢理眠らせようとするなんて、非常におかしな話なのです! 
眠るためには、先にも言いましたが適度に疲れることが必要。「もう歳なんだから無理をするな」とよく言われますが、ある程度無理はしてほしいと思うのです。
 

横になっているだけでも血圧は下がる!


睡眠は高血圧改善に大切ですが、「眠らなきゃ」と思うあまりかえって眠れなくなるもの。そのことがストレスになって血圧が上がってしまっては本末転倒です。
そこで睡眠の質が悪くて悩んでいる人に、一つ良い情報をお伝えしたいと思います。

実は血圧の観点からすると、眠れていなくても、体を横にしているだけで高血圧改善には充分に効果があるのです。
血液を全身に循環させているのは心臓であることは、これまでにも述べてきました。地球上には重力というものがありますから、立っている状態ですと、重力に逆らって血液を巡らせる必要があり、心臓は強いポンプ力を必要とします。ですが横になっていれば、全身の血管が心臓とほぼ同じ高さになりますから、それほど強いポンプ力がなくとも血液は全身に行き渡りやすくなります。
つまり寝るという行為は必然的に体を横にしますから、それだけで心臓の負担を減らし高血圧の改善につながる、というわけなのです。

このことを知ると、「眠れなくても心臓は休まっているんだ」と少し気が楽になりませんか? そうすると、安心してかえって眠れるようにもなるかもしれません。

ちなみに水分は心臓の働きを助けてくれますから、寝る前にはコップ一杯の水を飲むことがオススメです。途中で目が覚めてトイレに行った場合は、その後、また一杯の水を飲むようにしてください。


40℃以下のぬるめのお風呂はオススメ


温かいお風呂も、血流を良くする作用がありますから、高血圧改善にはオススメです。ただしその入り方が問題。40℃より高いお湯に浸かってしまうと、交感神経が活発になりますので、心拍数が上がり血圧も上昇してしまいます。
朝、寝起きでだるい体をシャキッとさせたいのならかまいませんが、夜に入るなら、40℃以下の少しぬるめのお湯に浸かるようにしてください。そうすると副交感神経が優位になって体がリラックスし、血圧も下がりますから。

余談ですが、お風呂には皆さんが思っている以上に健康に良い作用があります。その一つが、インフルエンザウイルスの撃退です。インフルエンザウイルスというのは湿度に非常に弱く、湿度70%以上の環境では1時間以内にその力を失ってしまいます。ですから、インフルエンザ予防には毎日お風呂に入ることが一番。血圧が高くない方も、ぜひ毎日入ることをお勧めします。


アロマの力で血圧を下げる


精神的な要因で血圧が上がっている人には、香り療法(アロマテラピー)もオススメです。アロマテラピーというと香りでリラックスする、というイメージが強いかと思いますが、実は免疫力を上げる効果やウイルスを殺したりと、様々な効能があるのです。

では高血圧に効くアロマテラピーとはどういうものかと言いますと、自律神経にアプローチして神経の興奮を抑え、血圧を下げるアロマを用います。
ただ、アロマテラピーの難しいところは、香りは人によって好みがまったく違うという点。たしかにリラックス作用の強いアロマというのはありますが、人によってはその香りがまったく好きではない、という場合もあります。そうするとリラックスどころか不快になって、かえって神経が興奮状態に陥ってしまいます。
ここでは一般的にリラックス効果があるとされているアロマを挙げましたが、決して万人に共通するものではありません。ですから必ず実際に嗅いでみて、自分が心地よいと感じるものを用いるようにしてください。

<リラックス効果のあるアロマの精油>
ラベンダー
サイプレス
イランイラン
マンダリン
プチグレン

<お勧めのアロマの使い方>

ハンカチやティッシュに、アロマの精油を3滴垂らして枕元に置きましょう。香りが強すぎるときは、ハンカチやティッシュの距離を離してください。
ガラス製のボウルに粗塩30gを入れ、そこにアロマの精油を3滴垂らしてしっかりかきまぜ、浴槽に入れてください。


いかがですか? 血圧は、薬を飲まなくとも下げる方法がたくさんあります。「これなら続けられそう」というものを日常生活に取り入れて、ぜひ続けてください。


加藤 雅俊(カトウ マサトシ)
薬剤師、体内環境師、薬学予防医療家、ミッツ・エンタープライズ(株)代表取締役社長、JHT日本ホリスティックセラピー協会会長、JHT日本ホリスティックセラピストアカデミー校長。大学卒業後、ロシュ・ダイアグノスティックス株式会社に入社。研究所(現在:中外製薬研究所)にて、血液関連の開発研究に携わる。プロダクトマネージャー就任後、全国の病院を見て回るなかで、医療現場の問題点に気づく。「薬に頼らずに若々しく健康でいられる方法」を食事+運動+心のケアから総合的に研究し、1995年に予防医療を目指し起業。「心と体の両方」をみるサロンやセラピスト養成のためのアカデミーを展開。現在、自ら指導する健康セミナーやストレッチ教室、講演会などを精力的に行いながら、テレビ・雑誌等にも出演。モデルや女優の体内環境のケア、プロ野球チームやプロアスリートのコンディショニングケアも担当する。著書に『』(日本文芸社)、『』(アチーブメント出版)など多数。

 


加藤 雅俊 著 1200円(税別) 講談社

血管を若返らせ、血圧を下げるシンプルな体操を初公開。危険な高血圧とそうでない高血圧の見分け方、食事やツボ押しなど血圧を下げる生活習慣も紹介。

『1日1分で血圧は下がる! 薬も減塩もいらない!』のほか、料理、ファッション、ダイエット・美容など講談社くらしの本からの記事はこちらからも読むことができます。


・第1回「血圧を薬で安易に下げるのは危険な理由」はこちら>>
・第2回「1日1分の体操で一生血圧の上がらない体に!」はこちら>>
・第3回「減塩じゃない本当に血圧を下げる食事とは?」はこちら>>

・第4回「血圧は自力で下げられる!?女性の更年期と高血圧の関係」はこちら>>

構成/山本奈緒子 イラスト/須藤裕子