先日、『』刊行記念 ウー・ウェンさんトークイベント 「家庭料理の知恵」に行って参りました。

料理とは縁遠い僕ですが、雑誌「FRaU」の連載「ウー・ウェンの哲学する料理」でその名を知っていた料理研究家のウー・ウェンさん。彼女が提唱するのは、毎日バランスの取れた美味しい食事が薬となり病気を予防したり、治療したりする「医食同源」という中国古来の考え方。口にするもののすべてが生薬であり、料理は健康を維持するためのもの。それは、日々の生活の中から生まれ、脈々とつながるそれぞれの家庭の知恵の結晶なんだとウー・ウェンさんは言います。

トークイベントは、ウー・ウェンさん(左)と担当編集(右)の対談形式で、で行われました。

そして、ウー・ウェンさんはこう続けます。「本来ならその土地の気候・風土によって採れる食材は限られているのに、いまは一年中、世界中で、多彩な食材が食べられるようになりました。その季節、その土地で出会った食べ物を美味しくいただき、健康でいられれば、それ以上幸せなことはないのです」。

本を読んでも、イベントでお話を聞いても、ウー・ウェンさんが一貫して主張されているのは「必要なものを、必要な時にとる」といったシンプルな考え。そのなかでもあったアイデアをいくつかご紹介したいと思います。

1.美味しいと感じる時期や年齢に応じて食べる

大人になってある日突然、ニガウリを美味しく感じれるようになりますよね。それは、ニガウリが体内の毒素を取るものだと体が知っているからなのだとか。食材に旬があるように人間にも、その食材を必要とする時期が自然と組み込まれているのかもしれない。必要な食べ物を、必要と感じる年齢、その時期に食べる。それが自然なことです、とウー・ウェンさんは言います。

シンプルにお肉のみを使った肉団子。食材がシンプルな分、下ごしらえの手間も少なく、食べてもらう人にも安心を与えます。

2.夏は、「野菜」でしっかり水分を補う

キュウリやトマトといった水分の多い野菜をとることで、脱水症状の予防や食欲低下を防ぐことにもつながるそうです。また、ウー・ウェンさんが育った中国では、内臓を冷やさないように、原則として体温より温度の低いものをとらない、という考え方もあるのだとか。

ウーウェン流の鍋はとにかく食材の数が少ない。素材そのもののうまみを引き立たせるのがポイント。ごちゃごちゃとごった煮にしないから見た目も美しい。

3.夏は赤いものを食べて、心肺機能をアップ

「暑い時に辛いものを食べたくなるのは、体が必要としているからですよね」実は、それは心臓に負担がかかっている証拠なんだそうです。だからこそ血を補い、心臓の機能を高めて動悸予防に良いと言われる、赤いもの(トマト、唐辛子、赤ピーマン、クコの実)を食べましょう、とウー・ウェンさん。

中国や韓国では甘みや香ばしさのある唐辛子が一般的なので、野菜のように色々な料理にたっぷり使うのが定番。韓国料理用に売られている粉状の粗びきタイプがウー・ウェンさんのおすすめ。

「シンプルな料理」「丁寧」といったといった僕には難しそうに感じるワードも、彼女の本を読み、話を聞くと、不思議とスッと理解できるのです。あくまで「必要なものを、必要な時にとる」という、ごくごくシンプルなアイデアに基づいたウー・ウェンさんの家庭料理の概念を知り、「料理」そのものに対する意識を変えられ、感激いたしました。

意外だったのは、彼女は結婚するまでほとんど料理をしたことがなかったそう。そこから25年間、母として、料理研究家として、試行錯誤を経て今のスタイルに行き着いたのだと言います。

これなら「25歳・ガサツ男子代表」の僕でも出来そうかも、、!なんて思っております。
ここではご紹介しきれなかった素敵な「家庭の知恵の結晶」がまだまだあります。気になった方はぜひ、お手にとってみてくださいね。 

『』¥1500 講談社

撮影/邑口京一郎