北海道、旭川市の隣に、東川町という人口8000人の小さな町があります。ほとんどが田んぼで、大雪山旭岳を望む美しい田舎です。この町に、「ちゃみせ」という看板が出ている、玄米おむすびだけを作っている店があります。
東川には水道がありません。大雪山の伏流水が地下を流れ、どの家もそれを汲み上げて使っています。水質検査を通っているだけでなく、日本百名水に選ばれた湧き水です。その水で育てられたお米も当然、美味しい。「ちゃみせ」のオーナーの千葉紘子さんはそのお米と水を求めて、旭川から東川に移り住んだのだそうです。

握りたての玄米おむすびを、お店の庭で旭岳や緑の田んぼを眺めながら頂きました。飲み物はもちろん、冷たい東川の水。塩も中の具も、可能な限り北海道のものを使っています。
美味しい……って、こういうことだったんだ、と思いました。
ていねいに、ていねいに、近くの材料で作ったご飯。それだけなのに、三食食べたい、と思うくらい美味しいのです。

山歩きの人たちは、朝早くからここでおむすびを買って行きます。そのため、暗いうちからおむすびを握ることもあるそうです。「旭岳から上る朝日がきれいで、ああ、おむすび屋さんをしていてよかったな、と思うんです」と千葉さんは話してくれました。

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