シャネルらしい革新的なスピリットとモダンなエレガンスを体現する「J12」。セラミック素材のブラックは、深みのある艶を放ってくれる独特の存在感が魅力的です。

10年来取材させていただいている、大好きな風水師の李家幽竹さんから教えていただいたことの中でも印象的だったのが、「時計は自分の“時”を司るもの」という話。時計をしない人には、“自分の時”が流れない……、強いては、タイミングやチャンスを逃しやすくなってしまうこともあるのだとか。その話を伺ったのは、2014年の四緑木星の年。とりわけ“時”を意識することが重要な1年ということで、実際に時計を身に着けることで、時の大切さを改めて実感! それを機に、時計は自分にとって欠かせないアイテムとなりました。

ただ、このシャネルの「J12 クロノグラフ」を購入したのは、もう少し前のこと。この時計は、また少し違った角度から人生に転機をもたらしてくれた気がしています。実はその頃、自分はある方にお金をお貸していました。それは、いつか家を買おうとサラリーマンのお給料でこつこつ貯めた大切なお金。常識的には知人に貸すような額ではなかったかもしれませんが、大変お世話になった方だったので、少しでも力になれればという気持ちが強かったのです。ちょうどその時期は天冲殺でもあったタイミング。運勢的にも、物事が思うように進まなかったり、裏目に出てしまったりしやすい、いわば試練の時期。自分でも占いに携わらせていただいているならば、その流れを身をもって試すべきという考えも、頭の片隅にあったのだと思います。

運気も的中して、気づけば残高は60万円ほどに。あらためてその金額を目にした時、ショックでなかったと言えば嘘になるかもしれません。ちょうどその頃パリコレ取材で出張があり、帰国のフライト直前のシャルルドゴール空港の免税店で、いつか買いたいと思っていた「J12 クロノグラフ」が目に留まりました。ちょうど貯金の残高と同じプライス! これも運命かも! とフライト時刻が迫る慌ただしさのなかで、ふと「貯金をゼロにして、新しいスタートを切ろう!」と。

晴れて貯金はなくなりましたが、それが逆にどこか吹っ切れた気持ちに。まさしく裸一貫、「新しい時計で、時を一度リセットしよう」と、気持ちも前向きになり、フリーランスとしての活動も本格的にスタートする決意ができました。衝動的に手に入れた時計でしたが、さまざまなチャンスや良いタイミングをくれました。ラグジュアリー感のあるブラックの時計は、なかなかありそうでなく、今でもお気に入り。たくさんの楽しい時間をもたらしてくれています。振り返ってみれば、このシャネル「J12 クロノグラフ」は、人生を前向きに、時を大きく動かしてくれたきっかけだったのだと思います。時計を身に付けて時を意識してみると、さまざまな気付きがあります。これから刻む時を大切に、お気に入りの時計でワクワクした時間を過ごしたいものです。

PROFILE 青木 良文さん

ファッション誌『フィガロジャポン』をはじめ多くの女性誌で、主にファッションと占いページの編集を担当。パリやNYなど各国のコレクション取材やファッションページのディレクションのかたわら、占いページの編集にも定評がある。『VOCE』でも”月刊ハッピーコスメ”を好評連載中。そのほかラジオやトークショーなど幅広いジャンルで活躍。
ほかに人気セレクトショップでのラッキーアイテムのバイイングや、『WWD』の雑誌アカデミーショーでは占いの分野で特殊技能賞を獲得した。

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構成・文/村上治子